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弥生に『後は私がするから』とベッドに寝かされた俺。
キッチンとリビングを走り回る足音だけが聞こえる。
「ゴホゴホッ! はぁ…熱でも計るか…。」
美雨が出してくれた薬箱から体温計を取り出して脇に差し込む。
んん~…確実に熱が上がっていってる気がする…。
視界もぼやけ始めたな…。
ガチャッ。
「ただいまなのです…って起きてたのですか?」
扉からソーッと顔を出した美雨は起きてる俺を見ると頬を膨らましながら入ってきた。
「薬、買ってきたのです。 ご飯は…?」
「まだ食べてない。 弥生は頑張ってくれたんだけどな。」
ガサゴソと袋から薬を出しながら『やっぱり…』とボソボソ呟いた美雨。
「食べなきゃお薬飲めないのです…ちょっと作ってくるから待っててなのです!」
美雨は脱いだダウンをハンガーに掛けてからキッチンに向かって走っていった。
ピピピピピッ。
美雨が出ていくと丁度、測定を終えた体温計から電子音が聞こえた。
「何度かな…んっと…四十度ジャストか。」
確か人間って四十二度で死ぬんだっけ…?
イマイチ覚えてないけど。
『や…弥生ちゃん何してるのですかッ!?』
『美雨ッ!? いつの間に帰ってきたのッ!?』
あはは…。
これ以上、上がらなきゃ良いんだが…。
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