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「そういえば弥生は? どこ行ったんだ?」
体を起こして目をゴシゴシと擦りながら部屋を見渡すご主人様。
「あっ…弥生ちゃんなら氷枕を作りに━━」
『あぁ~ッ! 私の氷枕がぁぁぁぁッ!』
行ったはずなのですけど期待はしてなかったのです。
弥生ちゃん、何かを作るってことが下手すぎなのです…。
未だに叫び続ける弥生ちゃんの声が家中に響き渡ったのです。
「はぁ…ちょっと見に行ってくるのです…。」
深い溜め息を吐きながら立ち上がるとご主人様が私を止めるように腕をギュッと掴んだのです。
「あぁ俺が行くからいいぞ。 トイレのついでだ。」
わたしをベッドに座らせると代わりにご主人様がよろけながら立ち上がったのです。
「え? ご主人様は寝て━━」
「お前は少し休め。 寝てないんだろ?」
どうして分かったのですか…?
心配させないようにご主人様が起きた時は寝たフリしてたのに…。
「寝てていいぞ。 戻ってきたら勝手に隣で寝るから。」
チョンッと押されたわたしの体はベッドに吸い込まれるように倒れたのです。
そんなわたしを見てクスッと笑いながら部屋を出ていったのです。
「ふにゃ…わたしは平気でも体は凄く疲れてるのですね…。」
じゃ、わたしはご主人様のベッドを暖めて待ってるのです。
早く戻ってきてなのですよ…?
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