七章・風邪引きました。

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  コンコンッ。 美雨の寝顔をボーッと見ていると部屋のドアが二回ノックされた。 「コウ…? あっ起きてたの。」 顔を出したのは弥生だった。 手にはタオルに巻かれたゴム質の袋を持っていた。 「はいっ氷枕…これで大丈夫…?」 俺に氷枕を手渡した弥生は不安そうに恐る恐ると俺の顔を見た。 「ん…ありがと。 良く出来たな弥生。」 「これくらい余裕!…でもなかったんだけどね?」 あはは…と照れ臭そうに笑いながら俺の隣に腰掛けた弥生。 でも出来たんだから偉い。 出来なくても俺は褒めたんだけどな。 「って美雨がベッドで寝てるのね…えいっ!」 寝てる美雨の隣にボフッと寝転がると掛け布団にモゾモゾと潜り込んだ。 「えへへ…コウも来て? 美雨のおかげで暖かいわよ。」 空いてるスペースをポンポンッと叩いて掛け布団を少しだけ捲った。 「へいへい…分かりましたよ。 じゃ、もっと詰めてくれ。」 三人も寝れるんだな、このベッド。 しかも結構、余裕があるし。  
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