七章・風邪引きました。

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  ━━━━…。 ゴンッ! 「痛ッ! ふぁ~…何なんだ一体…。」 グッスリと寝ていた俺は何かが頭にぶつかる痛みで目が覚めた 「にゃふ~…にゃふ~…。」 「足がどうして俺の顔の隣にあるんだ。」 スラッと長い足が俺の頭に軽く当たっていた。 布団を覗き込むと人間状態の美雨が俺の腹を枕にして寝ていた。 「ったく…って弥生も戻ってたのか。 お前は寝相良いな。」 「すぅ…すぅ…。」 隣を見るとカーテンからは差し込む光に照らされてる弥生が俺の腕に抱き着いて寝ていた。 ふぁ~…んっ体調バッチリ。 グッスリ寝過ぎて晩飯も食ってないくらいだからな。 体を伸ばしながら上半身を起こして枕元の携帯を手に取り開いた。 「や…やばッ! もうこんな時間かッ!」 時間はすでに九時を回っていた。 俺は急いで着替えを済ませ荷物を持って部屋から飛び出した。 弁当作れなかったな…。 今日はコンビニ弁当か…。 車の鍵を取りにリビングに向かうとテーブルに何かがポツンッと置いてあった。 「ん…? 何でこんな所に俺の弁当箱が?」 中をパカッと開くと俺の好きなおかずだけが詰まっていた。 ご飯には炒った卵と鳥そぼろが乗っていて上には『ふぁいとなのです!』と海苔で書いてあった。 「ぷっ…ファイトなのですって何で熱血なんだ、お前…。」 キーも弁当の上に置いてあるし本当に気が回るな…。 助かったぞ。 「じゃファイトで頑張ってくるとしますか!」 俺は弁当を丁寧に鞄に仕舞ってからタタタッと走って家から飛び出した。 今日の夜は飯でも食べに行こうな。 二人の食いたいもん食わせてやるから楽しみにしてろ?  
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