八章・桜祭りなんです。

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  ━━━━…。 俺が風邪を引くと言う一大事(?)から一ヶ月。 春真っ盛りな四月になった。 「ご主人様ッ! これは一体、何なのですかッ!」 心地好い春の陽気にウトウトしているとテレビに釘付けの美雨が騒ぎ始めた。 「何だね。 今日の晩飯は鳥の唐揚げだぞ。」 「そんなの聞いてないのですよッ!」 美雨はソファーに座ってる俺の隣にボフッと座るとテレビを指差した。 「木がピンクになってるのですッ!」 テレビにはニュース番組で花見をする人達が映っていた。 そういえば昨日、仕事に行くときは七分咲きだったな。 じゃ今日なんかは満開かもな。 「まるで…弥生ちゃんの料理のような色に━━」 「ちょっと来なさい美雨。 お仕置きが必要みたいね。」 顔に青筋を立てる弥生に首根っこを捕まれズルズルと引きずられて行く美雨。 「ヒィッ! ヘルプミーなのですご主人様ぁぁぁぁッ!」 そして美雨は虚しい叫び声と共に弥生の部屋に消えていった。 うん…今のは弥生に喧嘩を売った美雨が悪い。 潔く諦めろ。 「ふぅ…花見ね…。 しばらく行ってないな…。」 テレビでは仲の良さそうな家族が花見をしている映像が流れていた。 連れてってやるか…。 春なんだから春らしいことを教えてやらなきゃな。  
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