八章・桜祭りなんです。

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  「ここら辺でも近々、桜祭りやるんじゃないか?」 俺は玄関にタタタッと向かい纏めてあるチラシの束をガサゴソと漁った。 「おっ、あったあった。」 大体こうやって桜祭りのチラシが入ってるんだよな。 ジュース無料券とかと一緒にな。 「えっと…今日から明後日までの開催か。」 俺は携帯をパカッと開いて仕事のシフトを確認する。 明日と明後日の欄には出勤の文字が表示されていた。 あちゃ~…。 出勤か…参ったな…。 「ん~? そんな所で何してんの?」 自分の部屋からヒョコッと頭を出した弥生。 首をカキコキッと鳴らしながら俺の元に歩いてきた。 「いや桜祭りに連れてってやりたいんだけど仕事でな…。」 「どれ? ちょっと見せて?」 ヒョイッと俺の手からチラシを掠め取った弥生。 耳をピコピコと動かしながら興味深そうにチラシを見ていた。 「んん…? 今日からやってるじゃない。」 えっ…? もしかして…。 「今から行けばいいんじゃないの? 天気も良いし。」 今日はゆっくり休みたかったんですけど、そうですか。 じゃ今から行きましょうか。  
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