八章・桜祭りなんです。

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  「なぁ? 肝心の美雨はどうしたんだ?」 弥生が出てきたのに美雨は出てこないじゃんか。 声も聞こえないし。 「あっ見たい…? 美雨がどうなってるか…見たい…?」 ゾクッ! 弥生のニコッと微笑んだ顔には何か寒気がする怪しさが漂っていた。 まさか弥生…って、いやいやいやッ! そんなことするわけないだろ…多分。 「ちょっと覗かせてもらうからな…?」 「どうぞ…あっ…真っ赤になってるからね。」 何がぁぁぁぁッ!? それ何てスプラッターッ!? 俺は弥生の笑顔に不安を煽られ物凄い勢いで部屋の扉を開いた。 「美雨ッ! どこだ美雨ッ! 返事をしろッ!」 カーテンが閉まり真っ暗な部屋に駆け込んだ俺はキョロキョロと美雨を探した。 すると部屋の端っこに人の姿を見付けた。 「美雨ッ…って、あれ?」 「ご主人様ぁ…わたし真っ赤になっちゃったのです…。」 あぁ…真っ赤だな。 芸術的なまでに真っ赤だ。 美雨は部屋の隅っこに座り半ケツ状態でシクシクと泣いていた。 その尻は相当叩かれたのか真っ赤になっていた。 「だから言ったでしょ? 真っ赤になってるわよ、って。」 うん…凄い勘違いした。 恥ずかしくて穴に埋まりたい。  
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