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「弥生ちゃんのバカッ…もっと優しくしてなのですよッ…。」
涙と鼻水でジュルジュルになった顔を服の裾でゴシゴシと拭く美雨。
「自業自得でしょ? ほらっ、お尻冷えるわよ。」
「あぅ…そんなに乱暴にしたら痛いのですよぉ…。」
弥生は美雨の元にトコトコと歩いて向かうとズボンを引っ張り上げた。
ふふっ…美雨には悪いけど微笑ましい光景だな。
見てて癒される。
「ふぇ…ご主人様ぁ…。」
弥生から逃げるように俺の元に駆け寄ってきた美雨はギュッと腰にしがみついた。
「なぁ美雨? これから花見行くか?」
「鼻水なのですかぁ…?」
何か雰囲気は似てるけど違う…って鼻水付けんなッ!
俺の服で拭くなッ!
「花見ってのは桜を見ながら食べたり飲んだり━━」
「行くッ! 行く行く行くのです~ッ!」
俺から離れた美雨はあっけらかんとした顔をして玄関に走っていった。
「二人とも早く行くのですよ~ッ!」
部屋の外から楽しそうな声で叫ぶ美雨の声が家中に響き渡った。
「美雨ったら…コロッと態度が変わるんだから…。」
それがアイツの良いところでもあるんだよ。
まぁもう少し考えて行動して欲しいんだけどな?
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