一章・帰ってきたッ!?

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  ピンポーンッ! 「はぁーい…開いてるから勝手に入ってぇ…。」 奥から麗香さんの声が小さく聞こえた。 「んな不用心な…。」 「とりあえず入るわよ。」 それもそうか。 べつに知らない人ってわけじゃないから入って平気だよな。 「うわ…汚っ…。 何よ、これ…。」 「ゴミでデコレーションされた家だな。」 それくらい凄いんだよ。 美雨なんかゲボゲボ言いながら吐きそうになってるし。 奥の書斎に行くと目を血走らせながらパソコンのキーを叩く麗香さんが居た。 「あぁ公平くん…今日はどうしたの…?」 髪はボサボサ。 目は虚ろで全くの別人のようだな。 「相変わらず忙しそうですね。」 「そうなのよ…。 締め切りが近くてね…。」 麗香さんは小説家なのだ。 まぁ二年前から小説書いてたけどそんなに有名じゃなかったからな…。 今じゃ名の知れた著者なのだよ。  
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