八章・桜祭りなんです。

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  スキップをする美雨を先頭に俺達は桜祭りのやっている大きな公園に向かう。 チラシによると大体、十分程度の距離らしい。 「そういえば、どうして木がピンク色だったのですか?」 クルッと俺達の方を向くと後ろ歩きしながら話し掛けた。 「あれは桜っていって、この時期に花を咲かせる日本を代表する木だ。」 俺は財布から百円硬貨を出して美雨に見せてやった。 「ほれっ百円玉に書いてある花が桜だぞ。」 「へぇ~…これが桜なのですか…。」 俺から受け取った百円硬貨をジーッと見詰めてる美雨。 そんなに興味があるのか? 色々な物に興味を持つのは良いことだけどな。 「でも花なんて年がら年中、そこら辺に咲いてるじゃないの。」 俺の隣で興味なさそうに道に落ちてる石を蹴って歩く弥生。 「桜は別だ。 散り始めると雨で落ちるくらい繊細な花なんだぞ?」 本当に綺麗に咲いてるのは一週間もないはず。 それくらい繊細なんだよ。 「ふーん…でも所詮は花よね。」 「桜、楽しみなのです…!」 こうも二人ともリアクションが違うとはな…。 桜を見てからのリアクションにも期待だな。  
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