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━━━━…。
「凄い綺麗なのです…。 やっぱりテレビとは違うのです!」
公園に入るとすぐに出迎えてくれた満開の桜。
道は桜が降っていて幻想的なまでに美しかった。
「うわぁ~♪ まるで夢の中に居るみたいなのです~♪」
「す…凄いわね…。 これは予想以上だわ…。」
美雨は嬉しそうに桜の中を走り回る。
弥生は桜を見詰めたままポカンッと口開けて停止していた。
「どうだ? 桜も良いもんだろ?」
「これは驚いたわ…凄い綺麗…。」
ふふっ…良かった。
気に入ったみたいだな。
「ご主人様~! 奥も桜がいっぱい咲いてるのですよ~!」
遠くから美雨が叫びながら手を振り俺達の元に走って駆け寄ってくる。
「美雨~? 余所見して転ぶなよ?」
本当に美雨は元気だな。
少し俺に分けてく━━
「平気なのですよ~♪」
俺にギュッと飛び付くように抱き着いた美雨。
あれ…?
「お前もしかして、もう転けたのか?」
俺にスリスリと頬擦りする美雨の頭には何故か桜が積もっていた。
「失礼なッ! 転んでないのですよッ!」
「ならその頭はどうしたんだ…?」
『頭?』とポカンッとしながら自分の頭を摩った美雨。
大量の桜の花びらが頭から降ってきた。
「にゃッ!? どうして桜がこんなに付いてるのですかッ!?」
それは俺が聞きたい。
どうしてそんなに付いてるんだ。
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