八章・桜祭りなんです。

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  ━━━━…。 「ん~♪ 食べたわね~♪」 「美味しかったのです♪」 満足したのか二人はお腹をポンポンと叩きながら口をティッシュで拭く。 あのさ…俺、一口しか食ってないんだけど。 自分が食いたくて買ったのに。 「二人とも食べてばっかりじゃないか?」 俺は食べ終えた容器を袋に投げ入れながらベンチに座ってる二人を見た。 「え…美雨ったら食べ過ぎよ! 全く!」 「わたしなのですかッ!?」 いやいや…お前も結構、食べてるぞ弥生。 「もっと目の前にある綺麗な花を見るとかしないのか?」 「花じゃお腹膨れないもん。」 まぁそれはそうだけど。 花より団子ってか…。 「わたしは桜、好きなのです!」 弥生の隣に座る美雨は桜の木を見上げて舞い散る花びらを眺めていた。 「見てると凄く…癒されるのです!」 美雨は景色とか工芸品とかに興味あるのか。 風鈴とか熱心に見てたしな。  
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