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「えっ? 何で何で? 言ってくれなきゃ分か━━」
「「変装してないからッ!」」
俺と弥生はアホ面でポカンッとしている有希に向かって大声で叫んだ。
本当に気が付いてなかったのか…。
何か試されてるのかと思ったぞ。
「え~? 眼鏡掛けてるよ…って、あれ?」
自分の顔をペタペタと触りながら『あれれ?』と首を傾げている有希。
「掛けてたはずなんだけどなぁ…。」
「有希さん…眼鏡って、あれなのですか…?」
美雨は有希が顔面から着地した地面の辺りを指差してボソッと呟いた。
「あっ、それそれ♪ って何じゃこりゃぁぁぁぁッ!」
有希が地面から拾い上げたのはフレームがグニャグニャに曲がりレンズがひび割れてる眼鏡だった。
「さっき地面とキスした時にそうなったんだろ。」
「見てる方が恥ずかしくなるくらい激しいキスだったからね。」
よく怪我しなかったよな。
有希の丈夫さに驚きだよ。
「うぅ…ひび割れてて良く見えないよぉ…。」
グニャグニャな眼鏡を掛けた有希はヨタヨタと見にくそうに歩き出した。
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