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「ここはどこ~? 私は誰~…アウチッ!」
ヨタヨタ歩きながら俺の体にぶつかった有希は苦笑いしながら眼鏡を外した。
「有希、危ないぞ。 怪我するからやめろ。」
「あはは…この眼鏡、捨てなきゃだね…。」
有希はシュンッとしながら名残惜しそうに眼鏡をケースに仕舞った。
「初めてのお給料で買った眼鏡なのになぁ…。」
「その割には随分と荒っぽい使い方だったわね。」
それを言うな弥生。
有希が余計に落ち込んじゃっただろ。
タタタッ!
「ユノー! まだ居た~!」
遠くから手を振りながら俺達の方に向かって走ってくる小さな影。
「あれ? 小百合ちゃん?」
「はぁ…はぁ…うん! 小百合だよ!」
小百合ちゃんは荒い息を吐きながらニッコリと微笑んだ。
手には丸めた画用紙を持っていた。
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