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「どうして一人? パパとママはどうしたの…?」
有希は屈んで小百合ちゃんの目線に合わせると肩を優しく掴んだ。
「小百合ね、家からね、一人で走ってきたの!」
荒い息を調えながら小百合ちゃんは有希にニッコリと微笑んだ。
「家から? あっ…私の飲みかけだけどジュース飲む?」
「ユノーありがと♪」
有希から受け取ったペットボトルに口を付けゴクゴクッと喉に流し込む。
「でも、どうして走ってきたの? 忘れ物でもした…?」
確かに…わざわざ家から走ってきたんだもんな。
何か大切な用があったのか?
「あのね、ユノーにプレゼント持ってきたの! はい♪」
ジュースを飲みながら持っていた画用紙を有希に手渡した小百合ちゃん。
「えっ…プレゼント? 開けてもいいの?」
「いいよ♪」
画用紙を丸めていた輪ゴムを外して有希は丁寧に画用紙を広げた。
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