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「これ…もしかして私を描いてくれたの…?」
有希が見詰める画用紙を俺達三人は後ろからスッと覗き込んだ。
「あはは…俺達は観客として居るみたいだな。」
画用紙にはステージでマイクを持って歌うYuNow。
観客席には俺達三人と小さな女の子の姿があった。
「凄い良く描けてるのです!」
「ふふっ本当ね。 凄く上手に描けてるわ。」
うんうん。
俺なんか人間を描くと棒人間にしかならないからな。
「凄く嬉しいッ…。 嬉しいよッ…ありがとッ…。」
瞳から溢れ出す涙を服の裾でゴシゴシと拭いながら小百合ちゃんの頭に手を乗せた。
「小百合もね、ユノーみたいなアイドルになるの!」
「ぐすッ…じゃ待ってからね。 一緒に歌える日を。」
いつか叶ったらいいな。
YuNowのライバル、小百合…なんてね。
「みんな~! 桜の前で記念写真、撮るのですよ~!」
「ちょッ…僕が撮るのかいッ!? 突然すぎるぞッ!?」
いつの間にか居なくなっていた美雨はジョニーを取っ捕まえ手を振りながら俺達を呼んでいた。
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