1496人が本棚に入れています
本棚に追加
━━━━…。
桜は散って瑞々しい緑の葉に変わった。
ジメジメと茹だるように暑くて寝苦しい夜だった。
「ん~…寝れん。 眠いのに寝れん。」
寝かせろ。
こっちは眠くて眠くて仕方ないんだよ。
布団が温かくなったらコロコロと転がりながら冷たい所を探す。
そんなことを繰り返していると扉が静かに開いた。
「ご主人様ぁ…ふぁ…。 一緒に寝るのです…。」
扉からヨタヨタとした足取りで入ってきた美雨。
目は全く開いてないのに確実に俺に近付いてきた。
「おぉ美雨。 ってか暑いのに一緒に寝るのか。」
「はいなのです…。」
美雨はベッドの前まで辿り着くとピタッと停止した。
「それじゃ、おやすみなのです…。」
そのまま俺の寝転がってるベッドに倒れてくる美雨。
俺はその光景を真下からスローモーションで見えた。
「ちょっと待てッ! 絶対その位置はやばいってッ!」
狙ったかのように俺の額に向かって美雨の額が近付いてくる。
まぁ避けられるわけもなく。
ゴンッ!
「あは…は…おやすみ…。」
額にクリティカルヒット。
美雨の石頭によって気絶するように眠りに落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!