九章・暑い日に見た夢。

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  「本当は野良猫に餌あげちゃいけないんだけどな…。」 俺は袋に入ったアジを持ってクルッと猫の方に振り向いた。 「まぁ困ってるみたいだからやる。 感謝しろよ?」 警戒したように離れてる猫の見える場所に袋から取り出したアジを置いた。 「にゃあ!」 猫はアジをパクッとくわえると、どこかに向かってゆっくりと歩いて行った。 「ふむ…何でか分かんないけどアイツが気になる。」 少し追い掛けてみるか。 気付かれないようにな。 俺はタタタッと小走りで猫の後を追うように走って向かった。 ━━━━…。 「せ…狭いな…。」 マンションとマンションの間の狭い隙間を通り抜け。 「煙い…ゲホッ! 煙いぞ、ここッ!」 営業中であろう飲食店の裏をムセながら通り抜け。 「あれ…道が無い…。」 草がボーボーに生え広がる道無き道を突き進んだ。  
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