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しばらく一定の距離空けて親猫の後ろを気付かれないように付けた。
「どこ行くんだ…? また飯でも集める気か?」
すると親猫は道から外れて近くにあるマンションの裏に入っていった。
「何でマンション? こんな所に餌があるとか…?」
俺は物音を発てないようにマンションの裏側をソーッと覗いた。
「何やってんだアイツ…。」
キョロキョロと周りの様子を伺って…。
まさか悪いことでも━━
その時、親猫の体から淡い光が溢れ出した。
ポンッと聞き覚えのある音と共に光が解ける。
「ね…猫神ッ!?」
そこには物凄い美人が立っていた。
グレーの長く艶やかな髪を風に靡かせる女性は優しい雰囲気を纏ってる。
「ふぅ…。」
深い溜め息を吐いた猫神は目をゴシゴシと擦りながら、こっちに向かって歩いてきた。
マズイッ…。
このままじゃ見付かる…クソッ。
俺は急いでマンションの裏から飛び出すと近くの電柱に身を隠した。
「主様、心配してなければいいんですが…。」
俺に気付かなかったのか猫神は、またどこかに向かって走り出した。
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