一章・帰ってきたッ!?

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  「しっかし今日は…凄い一日だな。」 美雨達が居なかった二年が薄かったことを思い知らされた。 本当、今日が濃いから。 「そう?」 「二年ぶりに会えて、こうやって一緒に買い物も来れてさ。」 本当にまた会えたんだなぁって実感した。 もう会えないと思ってたからな…。 「私達は、またコウ達に会いたいから頑張ったのよ?」 弥生は俺の車の後部座席に置いてある物を物色していた。 「ん…? それって、どういうことだ?」 「私達が居なくなる時には二年の修行をすれば、また逢えるって知ってたし。」 ふーん…。 そうなんだ…んッ!? 「知ってたッ!? じゃあ、どうして教えてく━━」 「言えないのよ。 これは絶対に言えないことなの。」 そうか…。 そういう決まりがあるんだな…。 「でも分かってた私も辛かったわ…。 二年は長いもの…。」 弥生は後部座席に置いてあったクッションをギュッと抱きしめた。 「美雨が居なきゃ挫けてた…。 だから美雨のおかげよ。」 弥生はニコッと最高の笑顔を見せて笑った。  
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