一章・帰ってきたッ!?

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  「起きてってば~! お母様~!」 弥生は麗香さんの肩を掴んで凄い勢いで揺らした。 うっぷ…見てるだけで気分が悪くなってきた…。 「ふにゃ…何よぉ…。 弥生ちゃんも一緒に寝たいの~…?」 「みんなで写真撮るわよ!」 嬉しそうに麗香さんの肩を揺する弥生はドSにしか見えない。 ってか拷問に近いぞ、それ。 「あっ良いね♪ 私は賛成だよ~♪」 「じゃ写真の花の私はチャイナ服とか着た方が良い~?」 目が虚ろなままの麗香さんはムクッと起き上がると首を傾げて俺を見詰めた。 いや、そんな服を持ってるなんて知りませんでしたし。 麗香さん似合うだろうけど。 「何の話なのですか?」 切り終えたフルーツの入った皿を持った美雨が戻ってきた。 「ん~? 写真撮ろうかって話してたんだよ。」 「写真なのですか!? 撮りたいのです!」 みんな写真が好きなのか? 俺は写真映りが良くないから好きじゃないんだけどな。 「ならカメラ取りに行ってくるか。」 よっこいしょ…っとと。 しっかりしてくれよ俺の体。 「ご主人様…わたしも一緒に行くのです♪」 よろける俺を支えるように立ち上がった美雨。 俺の腕に絡ませるように自分の腕を組んだ。 「おぅ…悪いな。」 本当に気が利く子になったな…。 ご主人様、嬉しいぞ…。 俺達は寒空の下、車にカメラを取りに向かった。  
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