二章・アイドルと…?

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  歌い終え決めポーズで停止する有希。 スタッフさんのOKサインを確認するとフゥッと息を吐いた。 「二人とも~♪ どうだった?」 俺達の元に走って駆け付ける有希の顔は、いつもの有希だった。 「えっと…。」 「あのですね…。」 俺は美雨と顔を見合わせて同じタイミングで答えた。 「「あんまり覚えてない。」」 「えぇぇえぇぇッ!?」 だって…圧倒されちゃったんだもん。 「凄かったのは覚えてる。」 「有希さんが違う世界の人っていうことが分かったのです。」 有希は俺達を見ながらポカンッとした顔をしていた。 「あははっ♪ 私が凄いんじゃないよ~♪」 と言うと周りを見渡してニコッと笑った。 「曲を作ってくれた人達とスタッフさん達が凄いんだよ♪」 そうか…。 やっぱり有希がみんなから好かれるのは、こういう所なんだな。 「いや…踊りも歌も凄かったぞ?」 「はぃ…正直ビックリしたのです!」 アイドルをバカにしてた。 でも有希は凄いよ。 「そっか…ありがとねっ二人とも♪ それじゃ次の仕事のために着替えてこなきゃ♪」 え…? 「そんなにスケジュール詰まってるのか!?」 まだ、ここの仕事終わったばっかりじゃないかっ! 「早めに出てご飯食べなきゃ♪ お腹空いたでしょ?」 有希は走って、また奥に入っていってしまった。  
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