一章・帰ってきたッ!?

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  「泣くなって。 俺も、またお前に会えて嬉しいぞ。」 目を擦りながら啜り泣く美雨の頬に伝う涙を指でスッと拭った。 「弥生、ちょっと美雨のこと見ててあげてくれるか?」 「良いわよ。」 弥生が美雨をソファーに座らせたのを確認してから俺はキッチンに向かった。 「二人はホットミルクで良いよな。」 二つのマグカップに牛乳を注いでガムシロップを混ぜ入れる。 そのままレンジに入れて温めを始めた。 ついでに猫の餌を出してあげないと。 お腹空いてるだろうし。 「そういえば、もう有希ん家には顔出したのか?」 「まだ。 さっき帰ってきたばっかりだからね。」 ふーん…。 ホットミルクは出来たっと。 「あいよ…ホットミルクだ。 熱いからな?」 ホットミルクを入れたカップを二つ、ゆっくりとテーブルに置いた。 「ありがとうなのです!」 「で…何を説明してくれるんだ?」 フーフーッとホットミルクを冷ます美雨を余所に俺は弥生を真っ直ぐ見詰めた。 「コウ、二年前のこと気になるでしょ?」 ホットミルクをスプーンで混ぜながら弥生はカップをジーッと見てる。 「まぁ気にならない…って言ったら嘘になるな。」 俺がそう言うと少しの沈黙。 それを破るように弥生がボソッと呟いた。 「私達は猫神なの。」 ホットミルクを静かに啜りながら俺を真っ直ぐ見詰めた。 「猫神…? 神様なのか?」 「猫神っていう種族なの。」 種族…? 品種じゃなくて?  
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