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「はぁぁぁぁっ…。」
人生で一番ってくらいの深い溜め息を吐いた俺。
溜め息をすると幸せが逃げるんじゃないな。
幸せが逃げたから溜め息が出るんだよ。
「あの…マネージャーさん、お疲れ様です!」
俺の目の前に姿を現した忌まわしき編集長。
手に持っていた缶コーヒーを俺と美雨に渡してきた。
「…どうも。」
「ご主人様…怒っちゃダメなのですよ?」
怒っとらん。
機嫌が悪いだけだ。
「迷惑でしたよね…すいませんでした…。」
かなり迷惑でした。
でも…まぁ…美雨は楽しそうだったからな…。
「いぇ…いつも読ませていただいてるんで良い思い出になりました。」
まぁ俺達の写真が使われることはないだろうしな。
「あ…ありがとうございます! 楽しみにしててください!」
編集長さんは嬉しそうに笑いながら走って行ってしまった。
入れ替わるように着替えを終えた有希が戻ってきた。
「公平くんと美雨ちゃん♪ お疲れ様でーす♪」
「おーぅ…。」
本当にお疲れました。
もう、こんな機会は一生無くていいです。
「凄く楽しかったのです♪ 写真楽しみなのですぅ~♪」
「私も二人とお仕事出来て楽しかったよ~♪」
俺は心に深い傷を負ったけどな。
「んで次の仕事は…?」
持っていた缶コーヒーを有希に渡した。
「ありがと♪ 次は最後のお仕事だよ♪ んっと…なんだっけ…。」
有希は手帳をパラパラと捲った。
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