一章・帰ってきたッ!?

7/52
前へ
/374ページ
次へ
  「私達は大切な主人に出会うと人間になれる能力があるの。」 ふむふむ…。 おっと猫に餌出すの忘れてた。 「でも猫神には人間で居られる時間が限られてる。」 美味いか? そうかそうか。 「そのリミットが二年前の今頃…って、ちゃんと聞いてるの?」 カップをテーブルに置くとプクッと頬を膨らましながら俺を軽く睨んだ。 「聞いてるって。 俺にはチンプンカンプンだけど。」 要するに普通の猫じゃないってことだよな? それは始めて人間になった時に分かったぞ。 「それで? 何でお前達は人間になってるんだ?」 「猫神はリミットが来ると二つの選択を迫られるの。」 ふぅ…と一息吐いた弥生は軽くホットミルクで喉の渇きを潤した。 「そのまま主人の元で普通の猫に戻るか。 それか…。」 それか…? 「猫神の世界で二年間の修行をして完全な猫神になるか。」 普通の猫に戻るか。 二年間の修行をするか。 本当に難しい選択だな…。 「それで二人は猫神の修行を選んだってわけか。」 「そういうことよ。」 ニコッと笑いながらカップを傾けゴクゴクッとホットミルクを飲み干した。  
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1496人が本棚に入れています
本棚に追加