二章・アイドルと…?

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  「うぅ…弥生ちゃーん…公平くーん…。」 扉を開くと中では涙をダラダラと流す麗香さんが倒れていた。 どうして死んだゴキブリみたいに床に転がってるんですか。 「どうしたんですか…?」 「あのねっ…あのねっ…。」 うん…あのね。 何なのね。 「昨日書いたはずの原稿がないの~! パソコンでプリントアウトしたのに~!」 悔しそうに床をガンガンと叩く麗香さん。 プリントアウト…ってことはパソコンだよな?。 「パソコンで書いたんですよね?」 「うんっ…。」 まぁ気が付いてるだろうけど言ってみよう。 「保存したデータをもう一回プリントしたらどうですか?」 と俺が言うと部屋がシーンと静まり返った。 「あっ…。」 「「……。」」 気付いてなかったんだ…。 何かドッと疲れた…。 「弥生。 この家は一体、何なんだ。」 「私に聞かないで。 ここまでアホだとは知らなかったわ。」 苦笑いしながら麗香さんを見詰める弥生。 「二人でご飯でも食べに行くか。」 「そうね。 ここで同じ空気を吸ってたらアホになるわね。」 俺達は呆然とする麗香さんやら玄関で美雨に絡み付く変態やらを置いて本当に家を出たのだった。  
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