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二人は、橋本刑事の運転で自宅まで送ってもらった。
リビングで、兄貴を前にして、ソファに二人は座っている。
「ユリナ、今回の事件はやばいぞ!」
「何で?」
「あらゆる情報でお前を狙っている可能性が高いと、城山署のデカ長が電話してきた」
「だから、何でって言っているでしょう。何か理由があるはずでしょう」
「あのなあ、なぎら組がお前を調べていると言う情報が捜査4課の刑事が情報屋から聞いたそうだ」
「なんで、あたしを?」
「お前が、九条の犯行を見破ったからだ」
「その情報を何故、なぎら組が知っているのよ?」
「それは、解んないけど?」
ユリナの頭の中に、三文字が現れた。
「まさかー!」
ユリナは大声を上げた。
「どうした」
「いえ、いえ」
「それでだ、お前に橋本刑事を護衛につけることになった」
「デカ顔刑事、いやだー。小林刑事か、野村巡査がいい。それで、ずっと家の前で駐車しているのね」
「それとこれを着ろ」
兄貴は、ごっつい黒い生地のスポーツブラのような物を取り出した。
「ユリナ、これは女性刑事が着る防弾ブラだ」
「そんなのがあるのー。兄貴の趣味で作ったんじゃないの?」
「バカなことを言うな、お前はたしかDカップだったな?」
「何で知っているのよ。今月、Eカップに成長したみたい。もう身長は伸びないけどその分、乳が膨れているみたい」
「えー、二十歳になったら狩野姉妹を越えてXカップになって、歩けなくなるんじゃないのか?」
「兄貴、そこまで大きくなるわけ無いでしょう」
「じゃこれは無理だな」
「いいよ、無理すれば、入るから」
ユリナは、ブラジャーを手にした。
「へその上まであるんだ。心臓、肝臓、急所はカバーできそうね。兄貴、トカレフも防弾できるの?」
ユリナは、防弾ブラを胸にあてた。
「あーできる。ライフル弾は無理だが」
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