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「これなかなかいいじゃん、ねね兄貴、これで、ピッチリしたパンツとお面も作って、顔と下半身も保護しないとね。そうしたらユリナライダーになるよ、カッコいいじゃん。それとアラン君のも作って。お願い」
「おー、調達課に掛け合ってみる。防弾布はたくさんあるから、後は縫うだけだから、多分それぐらいは大丈夫だと思う。後でサイズを教えろよ」
「へそは、絶対に出してよ!」
「へそを撃たれたらどうするんだ!」
「撃たれてもいいの!ファションの方が命より大事なの!」
「ほんとうに、意味わかんねー」
兄貴は、両手を広げた。
「それとねー、特殊警棒をユリナ用に作っているかね」
「どこで」
「町の西村鉄工所で」
「あの、ゴリラ専務がいるとこか」
「あー兄貴、言ってやろ。ユリナ、専務と仲いいんだから、絶対に締め殺されるよ」
「うそ、うそ」
兄貴は、大きく右手を横に振った。
「兄貴の注文と言ったからね」
「俺、注文してないぞ」
「ユリナ高校生だから、注文できないでしょう」
「お金は?」
「もう今年のお年玉で払った」
「お金、自分で払うなら何でも注文していいぞ。後で金くれーとか言うなよ」
よし、これで兄貴の注文となった。後は、ネットで売って、超大金持ち。うふふふふ。
「気持ち悪い、何笑ってるんだ?また、悪知恵働かせたな?」
「兄貴、コハナさんとは、どうなったの?」
ユリナは話を変えた。
「それが……」
兄貴は、テーブルにぶつけるぐらいに頭を落とした。
「ひょっとして、メール、電話、着拒否されているの」
「……」
兄貴は小さく頷いた。
「あーれー、よし!ユリナが城山署に言って、話してやろう」
「駄目だと思う、完璧に嫌われている」
兄貴は、頭を上げない。
「大丈夫、任せて」
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