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■なぎら組本部事務所■
眩いばかりの金糸銀糸で織られた京都西陣織の学ランに東寺の八方睨みの竜が大きく織り込まれている。それが、左の胸から組員を睨んでいる。
二十畳の畳の間に、幹部組員があぐらをかいで、右と左にずらっと並んでいる。
なぎら組長は、高さ50センチもあろう分厚い畳の壇にあぐらをかいて、ひじあてに右ひじを載せて座っている。両サイドにはチャイナドレスを着た美形なボディガードが大きな羽扇で、組長の端正な顔に心地よい風を送っている。
「頭、城山学園のしのぎはどうなった」
右手前に座っている虎の目をした角刈りの男が、組長の方に腰をずらして一礼をした。
「はっ、鬼瓦が無断でやっていた少年売春はこちらが丸々頂きました。今から、システムを再立ち上げるところであります。少女売春、デルヘル、ホテトル、薬は順調に伸びております」
「そうか、だが九条は逮捕されたのだな、その報復はどうなっている。なぎら組が舐められる訳には行かんぞ」
「はい、女子高生の吉祥院ユリナと言う者が、横槍を入れ、九条が逮捕されたようです。そして、なぎら組をつぶすと威勢のいい事を言ってます」
「ほう、気丈な女だな、今時、そのような女子高生がいるのか、一度会ってみたいの、ハハハハハハハ。それで、薬漬けにするのか?それともソープに売るのか?内臓を売るのか?」
「それが、その子の兄貴が警視庁の刑事部長でありまして、なかなか手を出せないのです」
「警視庁刑事部長!」
なぎら組長は、身を乗り出した。
「どうも、その子の力で、刑事部長になったようで」
「その子は、頭いいのか?」
「はい、全国でも指折りの成績だそうで、そして、テレビに出ているどのアイドルより可愛いと聞いてます。空手も達人のようです」
「ほー、面白そうだな、頭、そいつを生け捕りにして、俺の前に連れて来い!」
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