プロローグ

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ユリナは空手の部活を終えて家に帰っていた。 アラン君は、住む家が見つからず、暫く吉祥院家にやっかいなることになった。 まだ、アラン君は学校から帰ってない。 どうしたんだろう、寮に寄ってくると言ってたけど遅いなぁ。また、何か事件に巻き込まれたの? ユリナは口を尖らせている。 携帯を取り出して「何しているの?」とメールを送った。 ユリナは、机に向かい、西村鉄工所と合同でネット販売する特殊警棒のデザインを始めた。 専務のおばさんは、一本3万円で販売すると言ってた。そうするとユリナに3千円入ってくる。月千本売れたら。幾らだ?えっ、3百万円!うそー!ユリナ、チョー大金持ちじゃん。頭から足の先までブランドが買えるし……。 ユリナは薄気味悪いニヤついた顔でデザインをしている。 あまりの喜びで口元がゆるみ、ヨダレがタラーと流れ落ちた。 「あー!」 ユリナは机の上のティッシュで紙の上に落ちたヨダレを拭いた。 油断しちゃだめだめ、まだお金になってないのよ! ♪♪……♪♪…… 携帯のメールの着信音が鳴った。 ユリナはメールを確認した。 ≪すぐに帰るよ≫ それだけ、気が入ってないな、ユリナ、一生懸命頑張っているのに。ユリナの事どう思っているんだろう。単なる、利用しているだけ……。 あの時、もう少しでキスするとこだったけど、してたらどうなってたんだろう。あたし達……、 ユリナは………なんだけど。 まっ、いいか事件に巻き込まれてない様だから。 ユリナは、パソコンに画面に喰らいつき特殊警棒のデザインに精を出した。 ギャルが持つんだから、可愛くしないと駄目だし、ジーパンに差し込める太さと、長さじゃないといけないなあ。そして、一撃必殺! そうだ!ネイルみたいにデコすればいい、これで流行るぞ!名前も堅い特殊警棒じゃ無く、いい名前にしないとね。んー何がいいかなあ?特殊警棒だから、二字とって、 「トクボー!よしこれで決まり」
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