プロローグ

3/11
前へ
/75ページ
次へ
テレビのスケバン探偵のように、カッコよく決めを作らないとね。 「悪をくじき、良い子を助ける。ただ今参上、ギャル探偵ユリナ!ってか」 んん…イマイチだなあ。 ♪♪……♪♪…… 携帯メールの着信音が鳴った。 ユリナは携帯を確認した。 今度は兄貴からだ。 ≪緊急事態!数学の教師、本願寺一郎が殺された。発見時間、午後6時00分。場所、B棟1階廊下。首に二ヶ所のキリ状の刺し傷があり、その一つが頚動脈を損傷し、失血死。争った様子は無し。死亡推定時間5時50分ごろ。第一発見者、卓球部アニメ科三年B組安田幸恵、血を流して倒れている本願寺を発見、そのままA棟の職員室に駆け込んだ。6時15分、110番通報を受けた城山署捜査員が現場到着、捜査開始。 本願寺は、司法解剖中。目撃証言無し 、凶器無し。 ユリナ!なぎら組みが動き出したぞ、お前も気をつけろ!≫ 「すぐに、現場に行きたい。誰か迎えに来させて!」 ≪誰かをすぐに迎えにやる、本当に気を付けろよ≫ 「わかった。今度は、ヘルペスの財布が欲しい」 ≪いくら?≫ 「多分、十万円ぐらいかなあ」 ≪10万円!、俺の財布の中身より遥かに高いじゃないか!んー分かった。どうにか捻出する≫ 捻出する?兄貴、やばい事やってんじゃないの、ひょっとして警察の裏金とか使っているとか? だけど、本願寺を殺すとは大胆、なぎら組の犯行と言わんばかりじゃん。警察への挑?……んー何か狙いがあるはず?まずは現場。 アラン君また、アリバイが無いじゃんかよ。早く帰ってこいよ。 ピンポン ピンポン ユリナは急いでリビングにある監視カメラで玄関を見た。 「アラン君だ!」 ユリナは、玄関の開のスイッチを押して、玄関に走った。 少しして、ガラガラと玄関の戸が開いた。 「ただ今」 「アラン君!大変、本願寺が殺されたよ!」 「えっ、それで、B棟にパトカーが一杯来てたんだ」 「今から、迎えが来るか、一緒に現場に行くよ」 「僕、行きたくないな……」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加