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「コンニチハ、ユリナちゃんもう犯人を見つけたんじゃないのかな?」
「無理、無理」
「前の犯行は、出刃包丁が、これ見よがしに刺さっていたけど、今回は、物は全く無い。ユリナちゃん犯行の動機はなんだと思う」
「少年売春は鬼瓦の死亡と警察の捜査で、頓挫しているし、動機?んー何だろう?小林刑事何と思いますか?」
「挑戦!警察に……、いやユリナちゃんに挑戦してきた可能性がある。警察から目をつけられている本願寺を殺すことは、リスクが大きすぎる。それでもなお殺したと言うことは、挑戦しか考えられない、それに、奇妙な殺し方でだ。『どうだ、解けるか!』って言っているようだ」
「えっ、そんな。
ねー、小林刑事、なぎら組長に会いたいんだけど?」
「それは、危険だぞ、あいつは極道になるために生まれてきたような人間だ。それに、悪魔のようなカリスマが有って、しゃべりながらあいつに見つめられると、直ぐに、なぎら組の信仰者になってしまうそうだよ。会えば、大きな危険が伴う。そして同時に対決すると言うことにもなる」
「うん、ユリナ戦う。楽しんで人を殺す人を絶対に許さない!」
ユリナは珍しく眉間にしわを寄せて、力強く言う。
「よし、分かった。ユリナちゃんが正義のため決意したんだ。私も戦うよ、4課の刑事に連絡を取って、また連絡する。それとユリナちゃん身辺を気をつけた方がいいよ。あいつは非情だ」
「うん、分かっています。一人には絶対にならないから」
「アラン君、ユリナちゃんを守ってあげなよ、絶対に側を離れるなよ」
「えっ、僕が?ユリナちゃんの方がよっぽど強いよ」
「情けないな、もう少し、体力をつけろよ」
「…………」
アラン君は下を向いた。
「小林刑事、新たな情報は無いのですか?」
「犯行時間あたりに、この棟にいた者を容疑者にすることに決めた」
「それで何人がこの棟にいたのですか?」
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