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「発見者を含めて7名、用務員が、戸締りのため巡回をしていた。アニメ科3年生の2名が、二階の教室でアニメの作成で残っていた。1階の映像室にアニメの実写テストのため、3年生の生徒3名が残っていた」
「えっ、1階の映像室ってここですよね。倒れる音とか、叫び声を聞いてないのですか?」
「犯行時間にはアニメをテスト上映したそうで、部屋の外の音は一切聞えないと言っていた」
「外からの犯行か、死体を異動した可能性は?」
「外からの犯行は、断定できてない、死体の移動は足跡、血の付着から無いと鑑識が言っている」
「用務員さんて、鬼瓦殺人事件で第一発見者になった人ですか?」
ユリナは頭脳を記憶モードにして、小林刑事が言っていることを全て暗記している。暗記する時は、ユリナは頬を人さし指でリズミカルにトントントンと叩く。
「そうです。詳細な事情聴取はこれからするけど、何か聞きたいことある?」
「えー用務員さんの行動ルートと、映像室で何のアニメを上映していたか知りたい」
「上映アニメ?」
「うん、何か気になる。たぶん、犯人は関連つけていると思う」
「難しいな、僕には無理だ」
アラン君が横から言う。
小林刑事が、
「俺達にも難しい山だ。普通の人には分からないのが普通だ。心配するな」
♪♪……♪♪……
ユリナの携帯からメールの着信音が鳴った。
ユリナは、携帯を確認する。
「兄貴からだ、何だろう」
≪直ぐに、帰って来い!≫
「小林刑事、何かあれば、メールくださいね」
ユリナは可愛らしく微笑む。
「OK、身辺気を付けなよ」
「うん、有難う」
「アラン君帰るよ」
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