少女A

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この場所はA子に地球滅亡をひしひしと予感させた。 あと五ヶ月したらあの空が降ってくるのだ。 空から瞬くように落ちてくるそれは、高層ビルをアルミ缶のごとくくしゃくしゃと潰し、人なんてトマトどころか蟻未満だ。 スクランブル交差点は今以上にかき乱される。 高鳴る海はあっという間に陸地を沈め、為すすべもなく人類、いや生物は滅亡していく。 そして沢山の傷を負った地球は、時間をかけゆっくりと死んでいく。 最終的に地球はどうなるのだろう? 宇宙に散っていくのだろうか。 まず地球のバランスが崩れたら空気がなくなってしまいそうなものだが。 A子は考える。 地球滅亡は興奮するA子の背筋が粟立たせ、想像力に拍車をかける。  
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