少女A

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「すみません」 A子はとりあえず謝ったが、その言葉に反省も謝罪の念もないのは誰の目から見ても明らかだった。 無論C子は納得がいかない。 がしかし、これ以上言っても仕様がないので、C子は丸い目を細めてばつが悪そうに唸った。 「ところでB子はどこですか」 A子はそんなC子を気にもとめず、キョロキョロと駅を見回す。 某駅自体、お世辞にも広いとは言えないこぢんまりした駅なので、軽く見回しただけで駅内の大体のものが見えるが、現在A子とC子以外にはホームのベンチで寝続けている老人ぐらいしか確認できなかった。 言わずと知れているだろうが、その大いびきをかきながら寝続けている老人はB子ではない。  
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