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ミヨと別れて、社長に電話をかける
お疲れさんとか結果は明日の朝、事務所に来てくれたらわかるなどを教えてくれると、さっさと電話を切った
話したのは一分いくかどうかもわからないほどの短さだった
こんな早い電話は初めてだ
廊下を歩きながら、そう思った
「水城くん、目線ちょっと変えて……あっ、そうそう、あっいいねー。そんなかんじ、そんなかんじ」
ドアの向こうでの声が廊下にもれていた
"水城"……
そういや、愛子先輩が言ってたな"あの子が新人男モデルの大流行している子"だってみたいなこと
あの、性格悪悪なあいつが大流行中!?んなわけないじゃん!!いったい、どんな面して撮ってもらってんだよ
悪口を言いつつも、少し気になり、覗いてみた
"ドキッ"とした
カメラマンがいる前にあいつは立っていたが、その辺にいる男よりかは比べられないほどかっこよかった
風で揺らされる茶色の髪が美しい
人気だと言われても、納得できた
さおりは、ついつい見とれてしまった
ドアが引かれた
「うわぁっ!!」
さおりは、前に倒れた
「さおり!?……てめぇ、こんなとこで何やってんだ……あ゛ぁ゛??」
聞き覚えのある声
私を呼び捨てで呼ぶ声
始めて、瞳が合った時は無視されたような気が……
恐る恐る、顔を上げて見る
さっきまで、カメラマンの前に立っていて、茶色い髪の毛を靡かせていた人だ
「み…水城…」
目の前にいた人の名前を言った
水城は"ニコッ"と笑いカメラマンの人達のほうを見た
「すいません。ちょっと、こいつ送ってきます。こいつ、方向音痴なもんでー」
はっ!?誰が方向音痴だって
出口くらいわかるわ!!
ってか、水城に送られたくないんですけど……
覗いてたから、殴られるかも
「んじゃ、ちょっくら出てきまーす」
い゛やあああああ
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