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"ガチャ"ドアが閉まる音がした
さおりは、背中に冷や汗を感じた
「あっ……あの~水城??」
空気が悪い…ってか重くかんじた
水城が振り返りさおりを見た
「ナアーイス!!」
「はぁ??」
「実はさーあのカメラマン休憩無しでいっきに撮ろうとすんだよー。はぁー、まじ疲れたあ。あんた、けっこー役に立つじゃん」
ニヤニヤしながら言った
こんの、言いたい放題いいやがって!!
頭にきた
「何あんた!!まじサイテーな奴だな!!ちょっとカッコイイなーって思った私が馬鹿だったよ!!あ゛ームカつく」
怒り爆発だった
水城は驚いているようだ。目が大きかった
「へぇ~。かっこいいって思ってくれたんや…」
水城は歩き出した
さおりは赤面した
「か…勘違いしんといてや!!ちょっとだけやからな!!ほんま、こんなくらいやで!!」
指先を軽く開けてみせた
「ありがと」
水城は振り返らず言った
水城の隣に駆け寄る
なんか、ドキドキしてる
顔が軽く熱い
「あと、あたし全然、方向音痴じゃないしな!!いちおう、初めて行ったデパートでも迷わへんかったし」
「あっそう。お前の昔話キョーミない」
うわっ!!性格悪王子再来かよ!!
「成る程ー、あそこから出てこれるなら何でも良かったつぅーことやな」
怒り口調だな…自分
「………」
無視かい!!
その時、水城の足が止まった
「なんか、おごる」
へっ??どういう意味
水城が指差した
自販機だ
「なんかおごってくれるん??」
さおりの質問に無言で頷く
「じゃ~あたし、オレンジジュース!!」
「ぶっ!!」
水城は隣で笑っていた
「何で笑うんよー!!」
「だって、お前この歳でオレンジジュースかよ。腹いてー」
「好きなんだからいいじゃん!!」
オレンジジュースが出てきた
さおりは、オレンジジュースを手に取った
「おごってくれてありがとね。でも、オレンジジュース美味しいんだよ!!んじゃ」
さおりは走って行った
恥ずかしくて振り向けなかった
なんだあいつ……
水城はさおりの後ろ姿を見ながら思った
ガタン
そこには、さおりと同じオレンジジュースがあった
開けて、一口飲む
「甘っ……」
一言、自販機の前でもらし、また、来た廊下を戻った
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