私の癖

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うずくまった私を、一斗の香りが優しく包んで、胸がいっぱいになってしまった。 私はそのまま、どうしようもない気持ちに襲われて、心臓の動悸を感じた。 ―苦しい…― 私は、腰を曲げて立ち上がり一斗の洋服やスーツが並んで入ったクローゼットを開けた。 そして細長いケースを取り出した。
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