春の訪れ

3/6
前へ
/53ページ
次へ
四月の晴れた日の登校風景。 二人の男が肩を並べて歩いている。 「ふぁ~。今日も一日暇だな」 「これから普通に学校だろ」 珀園学院(はくえんがくいん)に向かう通学路で欠伸をしている男子生徒、黒藤 黒弥 の呟きに彼の親友の相馬 誠(そうま まこと)は冷静に突っ込む。 「俺は授業中に寝ることしかしないから」 「まあ、お前らしいな」 誠は微笑みを浮かべる。 この相馬 誠は頭がよく、運動神経抜群、そしてモテる。 しかし、本人は気付かない。 というより興味がないらしい。 さらに、余談だが、この男は学院の裏情報に詳しい。 なんでも学院のトップと繋がりがあるとかないとか……。 詳しいことはわからないが……。 というより、この男は謎が多すぎる。 中学から一緒にいる俺でさえ詳しいことは知らないのだから。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

685人が本棚に入れています
本棚に追加