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「ただいま」
午後の授業も終わり、家に帰ると誰もいなかった。
「あれ?誰もいないのか」
リビングに行くとテーブルの上に手紙が置いてあるのに気が付いた。
「なんなんだ?」
黒弥は気になりどんなことが書かれているのか見ることにした。
『ヤッホー、私の可愛い息子よ……』
俺は無言で手紙を破り捨てた。
「なんだよ、あれ……。冒頭で読む気なくなった……」
とりあえず今のことは忘れて、小腹が空いたので冷蔵庫に何かないか探してみる。
しかし、
『て、手紙を破るなんてヒドいじゃないか、可愛い息子よ。パピーは悲しいぞ……』
「……なんだよ。あの親父、予知能力でも持ってんのか?」
『さて、前置きはこれくらいにして、本題に入ろうか』
「最初から本題に入ってくれよ……」
『突然だが、パピーはフランスに転勤することになった』
「はぁ?」
『本当はサウジアラビアに行くって話しもあったんだが、マミーがフランスって言ったから……。
でもな、パピーは石油王になりたかったんだ!!!』
「いやいや、意味が分からんし」
『フランスになったからマミーも一緒にくるらしいよ。では、元気で頑張れよ、可愛い息子♪』
「あの、クソ親父が!なにが♪だよ。ふざけんな!」
黒弥は怒りに任せて叫んだ。
「ん?もう一枚手紙がある?」
『追伸:明日から家族が増えます。家事は主にその娘がやってくれるらしいです。かなり可愛いって話しだけど襲っちゃダメだYO!!』
「な、なんだってぇー!?」
俺は本日二度目の雄叫びをあげた。
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