かつて可憐の予定

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かつて可憐の予定

あれはまだ私が空元気だった頃 当時はまだ必死で愛の歌を歌おうとしていたせいもあり それをこっそり聞いた人がいた 別に私も隠したつもりはなかったし むしろ、聞こえればいいと思っていたくらいだ 今となってはずいぶん軽率だったのかもしれないと考えるが 私の息吹は白く遠くへは行かなかったせいもあり すっかり冷たく循環した しかしまあ 撒いた種というものは何かと芽を出すものらしく 蕾と言われるほどにはなったらしい それをわざわざ回収してまで私に見せる人がいた 邪険に扱うでもなく、ただ唇を噛んだ その植物の名前さえ忘れてしまっていたのだが どこか奥底で喜ぶ私が独りいた 実際はもっと可愛い花を咲かせるはずだったが 何しろ愛が足りないものだから ここで止まってしまったのだ 惜しいことをしたのだろうかと自分自身に問いかけるも 私には再び育てることができないこともまた事実であった
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