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“キーンコーンカーンコーン”
規則的にチャイムが鳴る。
皆どたばたと教室に入って行く
この学校は比較的校則が緩い、
いや、緩い先生が多いせいで本来あるはずの校則が機能しなくなったと言ったほうが正しい。
「汰彗、急げよ。もうチャイム鳴ってるぞ」
「あぁ、悪い悪い。教科書ちょっと見当たらなくて、どこやったかな…」
「付き合いきれんな…俺は先に行ってるぞ、」
「あ、おい函内!つめてー!」
お前は友達をもっと大事にしやがれー!とさっさと教室に向かう友の背に悪態を投げかける。
しかし教科書が見当たらない
ロッカーの奥の未開拓地方までも捜索しても未だに発見されないのだ。
困った、万事休すだ、
途方に暮れていたその時、
「これ、貸してあげる。」
差し出されたのは“数学Ⅱ”と書かれた緑色の教科書。
「え?あ…、純夏!うわ、ビックリした…ええっと、ありがとう」
「授業終わったら返してね!私2限目数学なんだ」
ニコニコと笑みを浮かべながら純夏は話す
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