767人が本棚に入れています
本棚に追加
「瀧花先輩、相変わらずみたいッスね~」
などと言いながら隣に座ってくる。
誰か一緒に飲むとか言った?
っていうか、まず君達名を名乗れ。
「後輩くん、どうやら里桜はあんたのことを忘れているようよ?」
「瀧花先輩、それはないッスよね?」
困ったような、そうでないような、判断に難しい顔を見せてくる。
「すまんよ?全く持って記憶の片隅にもないらしい」
悪びれる様子も見せずに言えば、大袈裟に落ち込んだ表情。
「あっはは!さっすが瀧花先輩!」
蘭の隣に座る後輩は豪快に笑っているが誰ですか?
酔ってるからわからない、なんてことじゃない。
まだ酔うほど飲んでないし。
「うん、君も誰?」
「ぉおう、マジですか…」
「瀧花先輩?」
「うん?」
隣から名前を呼ばれ振り向けば、どこかで見たことのあるような優しい目。
後輩だと言うんだから、見たことはあるんだろうけど。
「先輩は高校の時、何部に所属してました?」
「バスケだよ?」
中学から蘭とともに始めたバスケはそれなりに楽しく高校まで続いたのだが、いかんせんあたしの身長が伸びてくれることはなく結局のところ挫折した。
んー、挫折じゃないか、一応引退までがんばったし。
最初のコメントを投稿しよう!