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そういえば、隣の男バスのコートからいつも声をかけてくる男がいたっけ?
背がちっちゃくてカワイいとか、チマチマ動き回るから小動物みたいとか、なんだかいろいろと言われてた……
……うん……?
「…後輩よ」
「思い出しました?」
「君はしょっちゅうあたしをからかっていた、あの後輩かな?」
完全に思い出せず、首を傾げ隣の男を見ると『そーです』と言わんばかりの笑顔。
おー、あの時のあいつかー。
なんて、思い出に耽ることもできず。
「なんて名前だっけ?」
「里桜、あんたもう痴呆?」
「どうやらあたしの記憶には必要なかったらしい」
「何気にヒドくないッスか?」
や、だって、後輩の名前を覚えてたところで利益とかないし。
別に好きだったわけでもないし、特別可愛がってたってわけでもない。
「んー…すまんよ?思い出せん」
「先輩?思い出そうともしてないッスよね?」
あれ?バレてるよ、思い出す気がないこと。
さすが後輩とでも言っておこうか。
「奏汰ッスよ、新堂奏汰」
「先輩、俺は椋本永ですからね~」
名前を聞いて、あたしは軽く首を傾げていた。
そんな名前だったっけ?
眉を寄せていると3人から盛大なため息を頂いたよ。
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