魔法祭

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「そのつもりで店を空けてきました、急ぎの仕事は今日で片付けてきましたので」 「きっちりしているね~誰かさんも見習ってほしいな~」 「…オレは何も聞いてないからな」 「兄さんはね~まだ果樹園の収穫終わっていないのにここにいるんだよ~」 「オレにとってはこっちの方が大事だっての!100年にも及ぶ伝統の魔法祭だぜ!」 「まーた始まった~」 「長年にわたる伝統と神秘の力を伝えてゆく大いなる力!しかもその集大成が個々に集う!それはまさにーー」 セドニーは芝居小屋の語り部のごとく饒舌に話始めた まだ早朝だというのに観光客が物珍しくしく集まり出したくらいだ なんというか…店の売り出しの宣伝効果になっているのかなっていないのか? リアンはそんな兄の演説?はまったく聞かずウィドに向き直った 「もう、兄さんの悪い癖ね…コレはコレで宣伝になるからいいけど…はい、これが泊まる部屋の鍵…と、商品の買取分」 「ありがとうございます」 「せっかく店を空けて来たんだからお祭り、楽しまないといけないよ?」 リアンはウインクしながらウィドに言う 「はい」 「その伝統を受け継ぐ物そこ――あ?もう行くのかウィド?…さっきから気になっていたがそのもう片方のトランクはナンだ?」 セドニーは話を中断してウィドがずっと左手に持っているトランクを指差す 集まった観光客がウィドに注目する
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