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なぜ、ユーナが頑なまでに婚約の話を拒み続けるかと言うとそれは、ユーナ自身政略結婚を望まず、また父親への反発心、そして、密かに思いを寄せるとある男性がいたからである。
しかし、その思いは、当然貴族であるユーナにとって許されるはずもなくまた口にする事さえ許されない。
しかし、ユーナの心は変わらなかった。また、その事実さえ知らない父親である、ギルバートは娘の結婚を推し進めようとする。そんな中ギルバートがとあることを口にする。
「なぜ、お前は、結婚をしようとしない?」
ギルバートが発した言葉はとても低い声色で、ユーナの心に重くのしかかる。
しかし、ユーナは、自身の思いを変えるわけはなく、再び怒気を含んだ声でギルバートに対し、返答する。
「私が結婚したくない理由は、先日も述べたでわありませんか?」
それを聞いたギルバートは、その答えに納得する筈もなくさらに追及する。
「ありえんな。お前がそんな理由でここまで頑固になるわけがない。昔はもっと素直であったろう?」
その言葉を聞いたユーナは内心ドキッとする。
その瞬間を父親は見逃さなかった。
それは、わずかにユーナの顔に変化が無意識のうちに出ていて それを見逃さなかったギルバートは、ユーナに問いかけた。
「いったい何がお前の心を突き動かす?頑なまでにこの件を断るのはお前に思い人がいるからか?」
父親に探りを入れられたユーナは、図星を突かれとうとう自分にもわかるくらいに表情に出ていて、顔が真っ赤になったユーナを見たギルバートは、ユーナの心を理解し、とどめの一撃とも言わんばかりに追求する。
「お前は、何者のことを思っている?」
それを聞いたユーナは当然答えれるはずもなく沈黙する。
それは、数分続いた。
それに痺れを切らしたギルバートは、ふと片手を上に上げ指をはじき鳴らすと、ドアが開き、外から数人の男が入ってきて、その甲冑をきたもの達にギルバートが命じた。
「我が娘を拘束し地下牢へ幽閉せよ」
その声には、会話が始まってから、もっとも声が低くとても威圧感があった。
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