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ユーナが拘束されてから、遡る事十数分間・・・
ギルバートとユーナが対峙していた書斎の扉の前にいたカインは、内心凄く心配をしていた。
それは、今年に入り、ギルバートとその娘である、ユーナが婚約の件で、幾度となく衝突を繰り返していたからである。
実際カインは、使える身であるがために、ギルバートとユーナとの間の事には口を挟むことができないでいた。
そして、また決して本意ではないにしろユーナの婚約の件がきっとどこかで、聖王一族にとってプラスになると、自ら言い聞かせ、我が主君ギルバートにも協力していた。
しかし、ユーナとギルバートの対話を扉越しに何度も聞いていると、やはり自分が間違っていたのでは無いかとも考えるようにもカインはなっていた。
それは、カインの心の中を葛藤の渦へと飲み込んでゆくのであった。
そんなカインが扉の前で、考えてると、突然ギルバートの低く威圧感のある大きな声が聞こえた。
それを聞いたカインは、驚き一瞬扉を開き中へ入ろうとするが、ある出来事のおかげで思い縮まる。
その出来事とは、廊下の奥、つまり螺旋階段のほうから、複数の足音が聞こえてきたのである。
その男たちを見たカインは、驚く。
男たちは、4.5人程度居たであろうか、その男たちは、全員銀の甲冑を身につけ、腰には、両刃の剣を身に着けていた。
また、隊長らしき人物だけ、青いマントをつけていてそのマントには、聖王一族の紋章である、双頭の鷹が金色の糸で刺繍されていて、その男たちが、聖王騎士団であることを物語っていたからである。
聖王騎士団はユーナとギルバートのいる書斎に入っていた。
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