第一話  昔話・はじまり

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 それは、カインが聖王一族に仕える少し前のお話・・・ このときカインは、ユーナの屋敷の近くに引っ越してきたばっかりであったころに、、親同士の顔あわせに一緒になってついてきてきていて屋敷に初めてはいった。  この日のカインは、自分の住んでいる家より広かったユーナの屋敷に興味津々で、屋敷の庭で庭と呼ぶべきか悩む位広大な庭を探索をしていた。     この日こそユーナとカインは、出遭う。  まだ、幼さのの残る当時のカインは、好奇心旺盛で、元気な少年であった。    そんなカインが一番興味をひいたのは、この広大な庭であり、その庭にあった大きな木が追いい茂る森で、当時おそなかったカインはただ、その森に足を踏みいれる。  その森を探索していたカインが、ある事にきずく。  それは、水の流れる、音だった。  カインは音のするほうへ急ぎ足で向かうと、そこには、自分と同じくらいの女の子がいた。  その女の子は、川の方を向いていて、少年にはきずく様子はない。   少年は、その女の子にふと話しかけた。    「ねぇ、君そんなとこで何してるの?」  その幼さの残る声を聞いた女の子は、突然のことで驚いたのか、肩をビクッと震わせ、恐る恐る少年方を振り向く。  少年をみた女の子は、その少年の顔を見ると少し安心をしたのか、強張っていた女の子の顔が、和らぐ。  すると、少年は、さっきまで女の子がしていた事が気になったのか、もう一度同じ質問を繰り返す。 それを聴いた女の子は、何かためらうように指を川の方へ指しながら、口を開く。  「川に・・私の大事な帽子が落ちちゃったの・・・」 それを聞いたカインは、川の方へ歩み寄り女の子の隣に立つ。  川を覗くとそこには、岩に引っ掛かっている白い麦わら帽子のような物が落ちていた。  それを見た少年は、女の子のほうを向き、とあることを笑いながら口にする。  「じゃあ僕が取ってきてあげるよ。」 そう笑顔で言った少年に対し、女の子は、少し戸惑う・・  女の子が戸惑っている訳は、 その帽子を取る際、まだ幼さの残る少年と女の子が降りるには、少々たかい急な斜面を降りなければいけなかったからである。
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