第一話  昔話・はじまり

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辺りは、そうそうとした雰囲気に包まれた。  それは、辺り一面が、霧が深く掛かっているかのように、土埃に覆われ、その現場に居合わせた、当事者らには、まだ判らないだろうが、つい数刻程前からいる同じ場所とは打って変わり、地形の一部が著しく崖崩れにより変化していた。  すると、徐々にではあったもの、自分たちを覆っていた土埃は晴れてきて今現在自らの置かれている現状に二人は、きずく。  最初、現状にきずいたのは女の子の方であった。  女の子は、今おかれている、現状にきずいて恥ずかしかったのか女の子の顔は、まるで、熟れた林檎のように真っ赤になる。  それにきずいた少年は顔を真っ赤にしうつむく女の子を下へと降ろし、自分も恥ずかしくなったのか他所を見ながら、川からとってきた帽子を女の子に差し出し女の子に話しかける。  「その・・・怪我とかは無かった?」  その声にはすこし緊張しているのか、弱弱しく消え入りそうだった・・  女の子もそれを聞いて、差し出された、帽子を受け取りながら、消え入りそうな声で、うん、と首をたてに振って返事をした。 その後、少しの間であったものお互いになにも語らず沈黙の時間が続いた。
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