第二話 昔話・もうひとつの始まり     

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青く広大な空にまだ太陽が燦々と光り輝く。  太陽はまだ高い位置にあり、外には、耳を塞いでしまいたくなる位、夏の風物詩とも言えるセミが鳴いていた。  その燦々と降りしきる、太陽の輝きの中、少年たちは居る。  外気が熱いためか、少年たちのいる場所も蒸し暑くなっている。  少年たちの頬やおでこには、汗が滝のように流れ出している。  少年たちは、白い袴みたいな着物を着ていて、はだしにもかかわらず、体育館のような室内で竹刀を振っていた。  そのためか、顔は、ほんのり赤く、着ている服も汗でびっしょり濡れていた。  彼らは、とある家の出身であるがために、常人であるなら投げ出したくなるくらい蒸している空間での運動も無理なくこなせている。  彼らにとって日ごろの鍛錬である素振りはもはや日課となっていた。
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